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日本政府は、Hibakusha(被爆者)の願い「核・戦争なき世界」
の実現に向けて直ちに行動せよ! |
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2024年10月22日 |
改憲問題対策法律家6団体連絡会
社会文化法律センター |
共同代表理事 |
海 渡 雄 一 |
自 由 法 曹 団 |
団 長 |
岩 田 研 二 郎 |
青年法律家協会弁護士学者合同部会 |
議 長 |
笹 山 尚 人 |
日本国際法律家協会 |
会 長 |
大 熊 政 一 |
日本反核法律家協会 |
会 長 |
大 久 保 賢 一 |
日本民主法律家協会 |
理 事 長 |
新 倉 修 |
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2024年ノーベル平和賞を日本原水爆被害者被爆者団体協議会(被団協)が受賞した。この分野では、2017年に核兵器禁止国際キャンペーン(ICAN)が受賞して以来の快挙となる。被団協は、1956年に結成して以来、一貫して被爆の実相を訴え、核兵器の廃絶を求めて、文字通り世界をめぐって活動してきた。No More Hiroshima! No More Nagasaki! No More Hibakusha!の標語は、よく知られている。
それだけではなく、1996年7月8日に国際司法裁判所が、国際連合総会による「核兵器による威嚇又はその使用は、なんらかの状況において国際法の下に許されることがあるか」という諮問に対して、「核兵器の使用と威嚇は一般的に国際法に違反する。核軍縮に導かれる交渉を誠実に遂行し、完結させる義務がある」旨の勧告的意見を示した際にも、被団協は多くの市民団体と協力して、核兵器の廃絶運動に法的正当性を与える上記勧告的意見を引き出すことに大きな役割を果たした。
また、2017年7月7日に国連総会が核兵器禁止条約を可決した際にも、被団協が被爆者の声を代表して、被爆の実相を訴え、国際世論を動かしたことを忘れることはできない。同条約の前文には、「hibakusha(被爆者)が受けた・・・容認し難い苦しみに留意し」として被爆者への苦しみに寄り添う文言が記載されるとともに、核兵器廃絶実現へ欠かせない力として、被爆者が、国連、国際赤十字・赤新月社などと並んで明記されている。
私たちは、被団協のノーベル平和賞受賞が、ウクライナ侵攻後のロシアによる核兵器使用の威嚇やガザ侵攻後のイスラエルによる核兵器使用の威嚇に対して警告を発するものであるとともに、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランによる核兵器の開発問題、核保有国が依然として核兵器禁止条約の批准に背を向けている現状を問題視して、核兵器の廃絶に向けて全世界的に取り組むことを求めているものと受け止めている。
このような中において、日本政府は、先制核使用を否定しない米国の核政策に、我が国の安全のための抑止力として依存し、安保三文書により抜本的に強化された我が国の防衛力によりこれをさらに強化する道を進んでいる。
私たちは、唯一の戦争被爆国である日本政府に対し、拡大抑止力依存政策から決別し、核兵器の廃絶を目指して、直ちに核兵器禁止条約を批准し、同条約の締約国会議や国連や軍縮会議などを通じて、「核・戦争なき」世界の実現に向けた積極的な努力を行うよう強く求める。 |
以上 |
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