律家会弁護士学者合同部会
Japan Young Lawyers Association Attorneys and Academics Section
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【市民に呼びかける法律家のアピール】
わたしたちの一票で、わたしたちの声で       
            いま、自民党政治を終わらせよう
2024年10月11日
 改憲問題対策法律家6団体連絡会                                
社会文化法律センター 共同代表理事 海 渡 雄 一
自 由 法 曹 団 団  長 岩 田 研 二 郎
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議  長 笹 山 尚 人
日本国際法律家協会 会  長 大 熊 政 一
日本反核法律家協会 会  長 大 久 保 賢 一
日本民主法律家協会 理 事 長 新 倉  修
1 自民党の金権腐敗体制は変わらない
 10月9日、石破政権は衆議院を解散し、10月15日公示、10月27日投開票の衆議院総選挙が実施されることとなりました。
 岸田首相を退陣に追い込んだのは、裏金問題や統一教会問題に象徴される金権腐敗とカルト癒着の自民党政治に対する国民の不信と怒りです。それにもかかわらず、自民党総裁選候補者9名全員は、裏金問題や統一教会問題は「すでに対応済み」との姿勢を崩さず、再調査にも否定的でした。
 首相に指名された石破茂氏は、所信表明演説での裏金議員についての対処を批判され、慌てて数名の議員の非公認と裏金議員の比例復活禁止を表明しましたが、これに対して、自民党内からは猛反発が出るしまつです。石破氏にしても、自身の裏金疑惑についての説明はせず、裏金問題の徹底究明と企業・団体献金禁止、政治資金規正法の抜本的改革には、依然として背を向けたままです。
 安倍、菅、岸田各氏が総裁をやめても、自民党の金権腐敗体制は何も変わりません。

2 早くも期待を裏切る石破首相
 石破氏は、総裁選では、予算委員会で野党と十分に論戦を行い国民に判断材料を提供した上での解散・総選挙、と言っていたにも関わらず、戦後内閣最短で解散しました。自民党への「ご祝儀相場」のあるうちに選挙を行いたい、裏金問題にフタをしたいという党利党略による解散にほかなりません。
 また、石破氏は、総裁選では選択的夫婦別姓制度に賛成し、マイナ保険証問題でも国民の意見を聞いて紙の保険証を残すとしていましたが、首相になった途端に前言を翻しました。経済政策は岸田政権の政策を継承するとしています。
 岸田政権下では、食料、エネルギーなどの物価上昇を大きく下回る賃金、社会保障予算の大幅削減などによって、国民の困窮・格差の拡大が続いているにもかかわらず、石破氏は、市民の貧困・窮乏・格差問題には冷淡です。「十八番」の防災省も、今まさに苦しんでいる能登をはじめとする被災者への具体的で有効な救済策は、何一つ言及がありません。
 安倍元首相を批判し、党内野党と言われてきた石破氏に対する期待は、早くも裏切られた結果です。今の自民党では、誰が総裁になろうとも、政治を変えることは不可能です。

3 憲法9条を変えて、日本を「戦争する国」に変える石破・自民党政権
 石破氏は、2012年の自由民主党『日本国憲法改正草案』作成の中心人物であり、「9条2項(戦力不保持条項)を削除」して自衛隊を「国防軍」にするのが持論です。首相在任中に改憲を行うと宣言しており、9条と緊急事態条項の改憲発議を本気で進めてくることは間違いありません。岸田前首相は、2022年12月16日、国会の審議も経ずに、専守防衛政策を葬り、敵基地攻撃能力の保有を明記する安全保障関連三文書の改定を閣議決定し、5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込む大軍拡を進めました。今年7月には、米軍と自衛隊の指揮系統の一体化と、敵基地攻撃能力に核兵器を含めること(拡大核抑止)を日米で合意しています。
 石破氏は、こうした岸田政権の大軍拡路線を引き継ぐとともに、それにとどまらず、米軍との核兵器の共有や、「アジア版NATO」の形成と集団的自衛権の全面行使、グアムに自衛隊を配備する地位協定の改定などにも言及しており、過去には、徴兵制や軍事法廷の創設も持論として述べています。
 石破政権は、これまで自民党が進めてきた大軍拡・大増税路線、日米一体化と対中国敵視政策を一層推し進め、9条の改憲を行って、日本や台湾を戦場とする戦争態勢の整備を進めようとしています。

4 戦争への道をストップさせ、すべての国民が尊重される自由な社会の実現へ向けて
 来るべき総選挙は、さらなる大軍拡・改憲により、日本が戦争への道を突き進んでいくのか、または、歪んだ政治を正し、戦争への道をストップさせ、疲弊した国民生活を回復させるのかが問われる、真に重大な選挙です。
 戦争か平和か。軍拡か福祉か。差別か平等か。自己責任か国による生存権保障か。
 そして、一握りの人間のみが幸福を独占する社会か、すべての国民が等しく尊重され自由と幸福追求権が保障される社会か。
 選択するのは私たち主権者であり、政治を変えることが出来るのは、私たち主権者以外にはいません。
 いま、私たちが求めるのは、憲法25条(生存権)や憲法9条・前文(平和主義)、憲法13条(個人の尊厳)などの、憲法の理念に基づく政治を実現することです。
 そのためには、自民党、これに追従する公明党による政権からの政権交代、「維新」を含む改憲勢力の議席を減らすことが、絶対に必要です。
 そして、政権交代のためには、私たち市民が主役となり、立憲野党に対して、憲法の理念に基づく政治を求め、そのための野党共闘を、全国各地で実現させることが必要不可欠です。
 憲法が活きる、私たち市民のための政治の実現を目指し、わたしたちの一票で、わたしたちの声で、いま、自民党政治を終わらせましょう。
 以上
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