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ハラスメント防止に関する決議 |
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性別、人種、民族、国籍、年齢、性的指向、性自認、障害の有無など人がもつさまざまな属性に基づく当事者間の力関係の非対称を濫用して、他者の人権や尊厳を脅かす一切の行為や言動を広く、ハラスメントと呼ぶ。セクシュアル・ハラスメント、レイシャル・ハラスメント、ジェンダー・ハラスメント、モラル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメントなど様々なハラスメントが社会的に認知されるようになってきた。また、近年ではソーシャルメディアの発達とともに、インターネット上でのハラスメントも大きな社会問題になっている。
ハラスメントの問題は法律家団体も無縁ではない。法律家同士は形の上で平等であるとしても、たとえば男性と女性の間には社会的に形成された権力勾配があり、また会員の中には民族性やジェンダー等の点でマイノリティーの属性を持つ者も多く存在する。さらに年齢や司法修習の期等による権力勾配も広く存在する。したがって、青法協の会員同士であっても、当事者間の力関係の非対称を濫用して、ハラスメントが行われることは、決して稀であるとはいえない。
ハラスメントは、対象となった属性を持つ会員の尊厳を傷つけ、ひいては健康被害すらもたらしかねないものである。また、こうした被害に晒される会員による自由な意見表明や活動を萎縮させるものであって、民主的で自由・平等であるべき青法協の健全な運営・発展にも深刻な悪影響を及ぼす。
青年法律家協会は、1954年、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に、若手の法律研究者や弁護士、裁判官などによって設立された。
会員によるハラスメント行為が放置されることは、先に述べた崇高な理念を傷つけるだけでなく、青法協に所属する全ての会員の執務環境を悪化させ、また、会員間の団結そのものを損なうものであって、到底許されるものではない。
我々青年法律家協会弁護士学者合同部会は、会員と全ての関係者の人権と尊厳を守り、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守るという崇高な理念を実現するため、各会員にハラスメントの防止をよびかけ、啓発活動に取り組み、ハラスメントのない環境の実現に努めることをここに決議する。 |
2022年6月26日 |
青年法律家協会弁護士学者合同部会
第 5 3 回 定 時 総 会 |
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