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辺野古新基地建設に反対し、
憲法9条の理念の花開く沖縄の実現を求める決議

 本総会を開催している開催地沖縄では、辺野古における米軍のための新基地建設が継続している。
 1995年9月4日、米海兵隊員2名と海軍軍人1名が12歳の女子小学生を集団で暴行する事件が発生し、日米地位協定に守られ実行犯3人が日本側に引き渡されなかったことから米軍基地の縮小・撤廃を求める運動は大きく発展した。1995年10月21日には、少女暴行事件に抗議する県民総決起大会が開催され、8万5千人が集まった。
 この内外の世論の盛り上がりを受け、1996年には、普天間基地の全面返還が議論の俎上にのぼるが、1996年12月2日のSACO最終合意では、名護市辺野古のキャンプシュワブ米軍基地沖合に代替施設を建設し、その運用可能後、普天間飛行場を返還との内容となった。
 しかし辺野古への新基地建設には強い反対の世論が沸き起こり、2014年には辺野古新基地建設反対を公約に掲げた翁長県知事が誕生し、現在の玉城知事もその政策を継承している。2019年2月24日に行われた沖縄県民の県民投票では、反対の県民の意思表示が明確に示された。
 国はこうした内外の辺野古基地反対の世論を無視して、現在は、辺野古基地建設のための埋立工事を進行させている状況にある。


 政府が辺野古の新基地にこだわるのは、アメリカとの同盟強化による安全保障政策に淵源がある。
 本年5月23日、訪日したバイデンアメリカ大統領との間で、岸田首相は、会談を行った。この中で、「覇権主義的行動を強める中国などを念頭に、アメリカの核戦力などで日本を守る「拡大抑止」をはじめとする日米同盟の抑止力と対処力を強化する方針を確認した」「沖縄県の尖閣諸島に対する日本の長きにわたる施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対していく方針を確認した」「岸田総理大臣は、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費を増額するとともに、いわゆる「反撃能力」を含め、あらゆる選択肢を排除しない考えを伝え、バイデン大統領から強い支持を得た」と報道されている(同日のNHKニュース)。
 このように、政府は、アメリカの核の傘のもとで日本を守る安全保障政策を進めており、その一環として、米軍のための辺野古基地を建設するほか、沖縄県から鹿児島県に至るルート上に、防衛力配備のための基地建設を推し進めている。


 以上の辺野古基地建設推進路線には、以下の問題点がある。
 第一に、そもそも、米軍に限らないが、我が国に軍事力のある基地が存在することそれ自体が憲法9条に反することである。
 第二に、それでなくとも沖縄県には、土地の収奪、財産の収奪、海や空の支配権の収奪、環境の破壊、米軍関係者による犯罪等、米軍基地の存在による重い負担が課せられているところ、辺野古基地の建設は、その負担をさらに重くするものとなる。
 第三に、辺野古基地の建設予定地は、ジュゴンが生息する豊かな海であり、その良好な環境の破壊をさらにもたらすものになる。
 第四に、基地の存在それ自体が、先制攻撃の対象となりかねない危険を招くものとなる。


 我が国は、前文や、第9条をはじめとする平和憲法のもとで、軍事力の負担からの国民の解放と、平和的方法による安全保障の追求を定めている。また、国民主権のもとで、民主主義の実現の追求も定めている。
 この観点から、沖縄県民の辺野古基地反対の世論は、軽視されてはならない。
 また、我が国は、憲法の立場に基づく平和外交を徹底的に追及するべきであり、アメリカの核の傘に頼る安全保障政策は採用されるべきではない。


 今年は、沖縄が我が国に復帰して五十年となる。
 この五十年、我が国は、沖縄県に基地の存在による重い負担を負わせ続けてきた。これ以上、沖縄県には負担を負わせるべきではない。
 当部会は、日本国憲法の平和と民主主義、人権保障を花開かせる立場から、憲法9条の理念が花開く日本を目指し、沖縄においても基地の負担のない社会を実現することを求め、政府の進める辺野古新基地建設に反対し、2019年に表明された沖縄県民の意思に寄り添い活動することを表明する。
2022年6月26日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
第 5 3 回  定  時 総 会
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