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入管法改正案の廃案を歓迎すると共に、
現行入管法の非人道的取り扱いの改善を求める決議
1 市民の運動によって入管法改正案の廃案へ
 2021年5月18日、多数の問題を抱えた「出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案」(本改正案)は、衆議院法務委員会での採決が見送られ、今国会では事実上の廃案となった。
 本改正案には多数の問題が存在したが、その中でも特に問題であったのが、難民申請者の強制送還を可能とする例外規定の創設と退去強制拒否罪の創設である。すなわち、本改正案は、現行の出入国管理及び難民認定法入管法(入管法)の問題点を放置したうえで、庇護を求める人を迫害の危険の及ぶ地域へ送還してはならないという難民条約33条に違反する規定を新設するという、現行入管法をさらに改悪するものであった。したがって、そもそも本改正案が、「改正」案として提出されたこと自体、極めて問題といえる。
 本改正案は、国内の市民・法曹のみならず、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会からも強く批判されていたところ、多くの市民・団体が反対の声を上げ、さらに同年3月6日に、入管収容施設に収容されていたウィシュマ・サンダマリさんが亡くなる事件が発生し、入管施設の責任を問う声がますます広がっていった。
 こうした運動の広がりが、衆議院法務委員会での採決見送り、そして現行入管法の改悪阻止につながった。当部会は、本法案が事実上の廃案となったことを大いに歓迎する。

2 再発防止のために第三者機関による調査・検証を行うべき
 前述したとおり、現行の入管法自体、多数の問題を抱えており、現在も入管収容施設で被収容者に対する人権侵害事件が生じている。具体的には、被収容者に対する暴言・暴行、適切な医療の不提供等であり、人権侵害の最悪の結果の一つである死亡事案も多数発生していた。前述のウィシュマさんの死亡事故もその1つであると考えられる。
 被収容者への人権侵害が生じた場合、その再発防止のためには、第三者機関による公平な調査・検証が不可欠である。ウィシュマさんの死亡事故についても、その原因解明のために第三者機関による調査・検証が必要であるにもかかわらず、いまだに実施されていない。このような痛ましい事件を繰り返さないためにも、ウィシュマさんの死因について第三者機関による公平な調査・検証を行うべきである。
 
3 現行入管法の真の改正に向けて
 当部会は、2020年12月5日に「送還忌避・長期収容問題の解決に向けた提言」等に反対する決議を行い、政府・国会に対して、在留資格のない人たちに対する制度の改善と保護の立法措置を取るよう強く求めてきたところである。
 2021年2月18日には、本改正案への対案として、「難民等保護法案・入管法改正案」が立憲民主党・国民民主党・日本共産党・沖縄の風・れいわ新選組・社会民主党から共同で参院に提出された。
 この難民等保護法案・入管法改正案は、全件収容主義の撤廃や収容にあたっての司法審査の導入、難民等保護委員会の設置、被収容者に対する適切な保健衛生上・医療上の措置等を内容としており、現行入管法の国際法違反状態・人権侵害状態といった問題を改善するものである。
 当部会は、あらためて、政府・国会に対して、現在の入管収容施設内での非人道的取り扱いの改善など、上記野党案を踏まえ、現行入管法を、国際法に適合し人権を擁護する内容に改正するよう求める。
2021年6月27日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
第 5 2 回  定  時 総 会
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