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南スーダンPKOからの自衛隊撤収に関する議長声明
 政府は2017年3月10日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の施設部隊の活動について同年5月末をめどに終了することを決定した。これにより、安全保障関連法(戦争法)に基づく「駆けつけ警護」など新任務が付与された隊員約350人が撤収することとなる。2012年から実施された南スーダンPKO活動は、国連南スーダン派遣団(UNMISS)司令部への要員4人の派遣を除いて終了することとなる。

 国会前をはじめ全国で抗議集会が開催されるなど国民の多くが南スーダンからの自衛隊の即時撤収を求め、また自衛隊派遣差止めの訴訟も複数提起されており、自衛隊撤収の世論は大きなうねりとなっていた。青年法律家協会弁護士学者合同部会も、2016年12月、2017年3月にそれぞれ自衛隊の即時撤収を求める決議をあげたが、今回の政府決定については国民の多くが、そして当部会がかねてから主張していたことが実現されたものと考える。

 もっとも、南スーダンからの撤収の理由について、菅義偉官房長官は、「ジュバは比較的落ち着いており、施設部隊の要員は安全を確保している。活動終了の判断は総合的に勘案した結果で、治安悪化を理由とするものではない」と説明した。しかし、2015年7月の大規模な戦闘行為をはじめとして南スーダン全土で治安悪化が深刻化しており、これが原因であることは明らかであるため、菅官房長官が述べる撤退の理由は問題の本質をはぐらかすものであって適切でない。すでにPKO派遣5原則にて要件とされている紛争当事者間の「停戦合意」が崩れていたことからすれば、自衛隊の撤収は憲法およびPKO協力法に照らせば当然の判断であり、むしろ遅すぎたとも言える。

 安倍晋三首相は、「ジュバでの施設整備は一定の区切りをつけることができると判断した」と述べたが、その判断の根拠は明確ではない。5年以上にも及ぶPKO活動の実態について、防衛省の「日報」を全面開示して検証すべきである。また、安倍首相は「人道支援を充実するなど南スーダンの平和と発展のためにできる限りの貢献をする」とも述べたが、今後は、平和憲法の理念(前文、9条)に基づき、文民要員を派遣し、政府軍・反政府勢力の双方に話し合いの場を持つよう働きかけるなど平和外交こそ展開すべきである。

 当部会は、引き続き政府の暴走を監視するとともに、平和憲法の理念の実現に向けてさらに活動していくことを宣言する。
2017年3月14日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
 議 長  原   和 良
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