律家会弁護士学者合同部会
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1・20 院内集会 「テロとの戦争」と安保法制
法律家6団体共同アピール
 日本国憲法がよって立つ立憲主義をくつがえし、民主主義をかなぐり捨てて、9条の平和主義を破壊する戦争法(安保関連法)案の採決が強行されてほぼ4か月。いま日本と世界をとりまく情勢は、私たちが危惧し、批判してきた方向へとさらに進もうとしています。

 2015年1月と11月のフランス・パリ、同年10月のトルコ・アンカラと2016年1月のイスタンブールなどでのテロ事件は、ISの出現によって混迷を極める中東情勢に対し、欧米や周辺の諸国などが空爆その他の軍事的な介入を強める中で発生しました。いままさに、2001年9月11日の事件以後顕著となったテロと戦争による「暴力の連鎖」が、再度、強められようとしています。

 「暴力の連鎖」の危険は、南スーダンにおけるPKO活動での自衛隊の業務と武器使用の拡大、ISに軍事攻撃する米軍などへのジブチを拠点とする自衛隊による支援などによって、日本にも差し迫っています。また、北朝鮮による「水爆実験実施」と称する挑発に対して力による対決を強化したり、中国の南シナ海での岩礁埋め立てによる基地建設に対して米軍とともに軍事的対応で臨むことは、同様の危険をはらむものです。

 今日、私たちは、「テロとの戦争と安保法制」をテーマに集い、自衛隊の中東派遣がもたらす危険や自衛隊員やその家族、恋人たちの不安について学び、語り合いました。そのなかから、全世界の国民の平和のうちに生存する権利の実現のため、各国国民の民主主義の力の発展を信頼し、国際紛争の平和的解決を粘り強く追求することの重要性と、とりわけ日本においては、戦争法の発動を許さず、憲法9条を守り抜くことの必要性を再認識しました。

 にもかかわらず、安倍首相は、野党の臨時国会開会要求を無視する憲法違反の暴挙のあげくに始まった通常国会で、その冒頭から、9条改憲と密接に関わる「緊急事態条項」の挿入など明文改憲のたくらみをあらわにし、来る参院選での「自公与党で過半数」のみならず「改憲勢力で3分の2」への意欲を公言しています。

 しかし、こうした策動に対し、昨年の戦争法反対運動でつちかわれた共同の力は、新年早々から意欲を新たにして、全国各地で発揮されています。この力を、何としても国民多数のものにしなければなりません。私たち法律家6団体は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が提起した「戦争法廃止を求める2000万人統一署名」の賛同団体として、総力を挙げてその実現に努め、必ずや戦争法を廃止して憲法を守り抜くことを、ここに決意します。また、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」に賛同する立場から、来るべき参議院選挙において戦争法廃止と立憲主義回復の立場の議員が多数派となるよう、それぞれが持てる力を最大限発揮していくことを、ここに表明します。
2016年1月20日
 改憲問題対策法律家6団体連絡会                                
社会文化法律センター 代表理事 宮 里 邦 雄
自 由 法 曹 団 団  長 荒 井 新 二
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議  長 原   和 良
日本国際法律家協会 会  長 大 熊 政 一
日本反核法律家協会 会  長 佐々木 猛也
日本民主法律家協会 理 事 長 森   英 樹
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