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普天間基地の無条件返還、辺野古新基地建設の中止を求める決議
 今年は日本の敗戦とともに、沖縄地上戦から70年目の節目の年にあたる。沖縄県民は本土復帰から43年目を迎える今も、「世界一危険」とされる普天間基地をはじめとした米軍基地あるがゆえの事件や事故に苦しみ続けている。

 沖縄県民の普天間基地の返還、辺野古新基地建設反対の意思は明らかである。2014年11月の沖縄県知事選では、辺野古新基地建設反対、普天間基地国外県外移設をかかげる翁長雄志氏が、基地建設容認に転じた現職の仲井真弘多氏を圧倒して勝利した。また、同年12月に行われた総選挙においても、沖縄全4選挙区で、辺野古移設反対派で統一した候補者が当選した。
それにもかかわらず、仲井真氏は、知事退任4日前である2014年12月5日に、沖縄防衛局からの辺野古埋立て工事工法変更申請を承認した。さらに、本年1月10日、沖縄防衛局は、辺野古埋立て工事を再開するために工事資材を搬入し、海上作業(ボーリング調査の準備作業)を強行した。反対運動を続ける人びとを暴力的に強制排除しながらの強行である。
加えて、安倍晋三政権は経済面からも沖縄に圧力をかけようとした。沖縄振興予算の減額である(前年比162億円の減額)。仲井真氏が辺野古新基地移設推進に転じた引き替えに500億円も増額したことと対照的である。まさに「税金を使った恫喝」である。
  その後、2月には沖縄防衛局が辺野古沿岸部に投入した大型コンクリートが許可区域外のサンゴ礁を損傷したことが発覚した。翁長県知事は、沖縄防衛局に対し、海底作業の全面停止を指示したが、同防衛局は無視し、海底ボーリング調査を続行する暴挙に出た。さらに、同防衛局は、翁長知事の全面停止指示の執行停止を林芳正農水相に申し立てた。本来、行政処分で国民が不利益を被った場合の救済措置である執行停止制度を、国家が悪用したのである。そして、あろうことか農水相は翁長県知事の全面停止指示の執行停止を認めたのである。

 それでも沖縄県民の意思は変わらない。埋立て承認を取り消す方針を示している翁長県知事の姿勢を県民の77.2%が支持し、普天間基地の県内移設に83.0%が反対しているのである(5月30日、31日実施。琉球新報社ほかの世論調査)。また、本年5月15日に開催された辺野古新基地建設阻止を訴える県民集会には、保守・革新の垣根を越えた市民3万5000人が集まり、「私たち沖縄県民は決して屈せず、新基地建設を断念させるまでたたかう」との決議を採択した。
翁長県知事は、4月5日の菅義偉官房長官との面談において、「辺野古の新基地は絶対に建設することができないという確信を持っている」と断言した。4月17日の安倍首相との面談においても「沖縄は自ら基地を提供したことは一度もない。戦後、強制接収で土地を奪っておきながら、老朽化したからね、世界一危険だから、沖縄が負担しろ、それが嫌なら代替案を出せと言われる。こんな理不尽なことはない」と政府の対応を非難した。また、6月23日に開催された戦後70年沖縄全戦没者追悼式でも、翁長知事は平和宣言を発表し「辺野古に新基地を建設することは困難であります」「政府においては、固定観念に縛られず、普天間基地を辺野古へ移設する作業の中止を決断され、沖縄の基地負担を軽減する政策を再度見直されることを強く求めます」と強く訴えた。
さらに、翁長県知事らは、訪米による米国政府との直接交渉に乗り出し、普天間基地撤去と辺野古新基地建設反対の世論を国際的に広げている。

 こうした沖縄県民の意思を全く顧みようとせずひたすら新基地建設を強行する安倍政権の姿勢は、「地方自治の本旨」(憲法92条)の一つである住民自治に明確に反する。さらには、米軍、とりわけ侵略的性格の強い海兵隊が沖縄に駐留し続けること自体、戦争を放棄し、武力行使と戦力の保持を禁じた日本国憲法9 条に反するものであり、これを是認する新基地建設等は断じて許されない。
これまで青年法律家協会弁護士学者合同部会は、普天間基地の危険性を指摘して無条件の返還を求め、また辺野古新基地建設は中止するよう、決議・声明を発表し、日本政府・米国政府へ届けてきた。いま、国会ではいわゆる「戦争法案」が審議されているが、万が一これが可決成立することになれば、これまで以上に沖縄県民に犠牲を強いることになる。
  私たちは、戦後70年という節目の年にあたり、あらためて日本政府に対し、普天間基地の無条件返還および辺野古新基地建設のための調査・準備行為を即刻中止するように強く求めるものである。
2015年6月28日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
第 4 6 回 定 時 総 会 
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