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辺野古新基地建設への着手に強く抗議し、普天間基地の無条件返還を求める声明
 安倍政権は辺野古新基地建設に向けて公有水面埋め立て申請を行い、2013年12月27日に仲井真弘多知事によって承認がなされたことを受け、2014年8月18日から掘削(ボーリング)調査を強行している。すなわち、政府(沖縄防衛局)は、海底ボーリング調査に使う台船を海上に設置し、海底調査に着手するなど、新基地建設に向けた本格的な海上作業を開始させた。秋以降に埋め立て本体工事に向けた実施設計をまとめ、来春にも埋め立て本体工事に着手する方針とされている。

 安倍政権のなりふり構わない強硬策に対し、沖縄県民は反対の意思を厳しく突きつけている。2014年8月22日には、那覇市議会が臨時会にて、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた海底ボーリング調査を開始した政府に抗議し、埋め立て事業の即時中止と移設断念を求める意見書を賛成多数で可決している。また、同年9月3日には沖縄県議会でも、辺野古のボーリング調査に着手した政府に抗議し、工事の即時中止を求める意見書が賛成多数で採択された。さらに、同月23日には、県内移設反対を訴え県民集会が開催され、3600人が参加する等、県民の反対意思は明確である。

  そして、このような沖縄県民の姿勢は、ボーリング調査の以前においても示されている。例えば、2013年1月28日には、県議会各会派、県内全41市町村長・議長らが、「オール沖縄」で「米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること」を求めた「建白書」を安倍首相に提出している。さらに、2014年1月15日には、名護市辺野古や久志地区の住民を含む県内の675人が原告となり、辺野古公有水面埋立て承認取消訴訟が提起された。また同月19日の名護市長選においては、辺野古新基地建設反対の稲嶺進氏が再選を果たしている。

  加えて、辺野古公有水面埋立て承認直後の沖縄県内での世論調査においても、県内移設に反対する回答が73.5%に上り、2014年4月下旬の世論調査でも同様の結果が示されている(2014年5月5日付琉球新報)。

  このように、普天間基地返還を求め、辺野古新基地建設に反対する沖縄県民の声は一貫しているのである。

 それにもかかわらず、安倍政権が新基地建設を強行するのは、2014年11月に実施される沖縄県知事選を前に、埋立て工事の既成事実化を図り、県民に「諦め感」を与え、選挙の争点化を避けようとする思惑からであることは明らかである。政府は、「県民に主権はあるのか、基本的人権は尊重されているのか」という県民集会アピールを真摯に受け止めるべきである。

 沖縄県民は、1996 年に橋本クリントン合意及び SACO 合意によって普天間基地の返還が表明されて以降、辺野古移設をめぐる日米両政府の思惑に翻弄されてきた。沖縄県内には、国内の米軍専用施設の74%が集中しており、沖縄県民は過剰な基地負担と基地被害を被っている。普天間基地の無条件返還、新基地建設断念こそが、米兵犯罪や基地騒音、事故など甚大な被害を被っている沖縄県民の平和的生存権(憲法前文、9 条、13 条)を回復する唯一の方途であることは明らかである。

  また、沖縄県民の意思を全く顧みようとせずひたすら新基地建設を強行する政府の姿勢は、地方自治の本旨(憲法92条)の1つである住民自治にも明確に違反するものであって、決して容認できるものではない。

  さらには、米軍、とりわけ侵略的性格の強い海兵隊が沖縄に駐留し続けること自体、戦争を放棄し、武力行使と戦力の保持を禁じた日本国憲法9 条に反するものであり、これを是認する新基地建設等断じて許されない。

 私たち青年法律家協会弁護士学者合同部会は、憲法を擁護し平和と民主主義及び基本的人権を守ることを目的として 1954 年に設立され、以来、一貫して平和と民主主義を守る活動を推し進めてきた。

 当部会は、普天間基地返還・辺野古新基地建設問題について、2009年11月19日「普天間基地の早期無条件返還を求める議長声明」を発表し、2010 年5月14日には「日本政府は米国に普天間基地の無条件撤去を求めよ」とする全国支部代表者決議を、同年12月4日には「沖縄県知事選挙の結果を踏まえ、日本政府は普天間基地の無条件撤去を求めよ」とする拡大常任委員会決議を、2012年6月30日には「辺野古新基地建設に反対し普天間基地の無条件返還を求める」定時総会決議を公表してきた。

  私たちは、当部会の設立の趣旨に立ち返り、あらためて、日米両国政府に対し、普天間基地の無条件返還および新基地建設のための調査・準備行為を即刻中止するよう、強く要求する。
2014年9月5日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
議  長    原   和 良 
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