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議会制民主主義を踏みにじって強行された秘密保護法の採決に強く抗議する決議

 自民党、公明党は、本年12月5日、参院国家安全保障特別委員会において、秘密保護法案を強行採決し、さらに続けて12月6日、参院本会議に緊急上程し、両党の賛成によって強行採決し成立させた。
 青年法律家協会弁護士学者合同部会は、知る権利やプライバシー権など国民の権利を侵害し、国民主権原理を否定する秘密保護法の成立に強く抗議するものである。


 この秘密保護法は、その内容が憲法の人権保障規定や国民主権原理に違反するものであって、将来の集団的自衛権行使のための前提とされていることは、2012年6月に発表した「秘密保全法に反対する議長声明」、衆議院で強行採決された直後の2013年11月28日に発表した「秘密保護法の衆院強行採決に抗議し、参院での廃案を求める声明」で明らかにしたとおりである。
 あわせて、秘密保護法は、その内容ばかりでなく、審議手続きにも以下のとおり看過することのできない重大な問題がある。

(1)まず、12月4日、参院の審議において、安倍首相から唐突に特定秘密指定の妥当性をチェックする「第三者機関」(保全監視委員会)についての新提案がなされた。かかる「第三者機関」を内閣官房内に設置すると説明されたことからすると、実効性の全く欠けた提案であり、国民の目を欺くものであることは明らかであるが、それでも同委員会の制度設計、役割、権限について議論する必要があったところ、不十分な説明に終始した。

(2)続いて、同日午後に行われた地方公聴会(埼玉)は、突然前日に決定されたものであった。これは、まさに「国民の声を聞いた」というアリバイ作りのためになされた異例のものであった。また、当初法案に賛成意見であった参考人が、他の参考人の意見を聞いて慎重意見を述べており、再度公聴会を開催するなどの手立てを尽くして国民の声を広く聞く姿勢こそが必要であった。

(3)さらに参院において法案審議が思いどおりに進まないことを理由として、与党が野党(民主党)の内閣委員長と経済産業委員長を解任し、そのポストを奪った。このように与党が野党委員長を解任したのは憲政史上初めてのことであり、数の驕りから議会制民主主義を無視する暴挙としか言いようがない。

(4)国民の生活に大きく関わる法案であるにもかかわらず、秘密保護法の参院での審議はわずか1週間余にとどまり、衆院での審議を含めても全体で1か月足らずであった。こうした審議時間の圧倒的な短さを見ても、与党が議会における討議を通じて法案の内容を国民に明らかにしていくという議会制民主主義を軽視していることは明らかである。

 当部会は、上記のような我が国の民主主義を破壊して行われた全ての行為に対して、満腔の怒りをもって強く抗議するものである。


 秘密保護法に対しては、限られた時間の中、ジャーナリストや出版人、憲法や刑法などの研究者、法律家、宗教者、女性団体など国民各層が一致してその危険性を訴え、廃案を求めて様々な取組みをおこなった。また、国際ペンクラブやヒューマンライツウォッチなど国際NGOなども強い危惧を表明した。
 当部会は、こうした国内外の世論に背を向け、民主主義のルールを無視して秘密保護法を強行採決した与党に対して強く抗議し、今国会で繰り返された与党を中心とした議会制民主主義の破壊行為を強く糾弾する。
 当部会は、秘密保護法の施行を許さず広範な国民と協同して同法の廃止を求めていくとともに、与党に対して議会制民主主義のルールを遵守するよう強く求める。

以上決議する。
2013年12月7日
青年法律家協会弁護士学者合同部会
第 3 回 常 任 委 員 会
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