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高市内閣による憲法を無視した法制度の改悪に抗議し、
改憲の動きに反対する決議
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1 はじめに
2026年7月17日に開催された参議院本会議において、「国旗の損壊等の処罰に関する法律」(以下、「国旗損壊等処罰法」という)、刑事再審手続に関する「刑事訴訟法の一部を改正する法律」(以下、「改正再審法」という)、皇族数の確保に向けた「皇室典範等の一部を改正する法律」(以下、「改正皇室典範」という)をそれぞれ可決、成立した。
これらの法律は、いずれも内容及び成立過程に多くの憲法上、人権制約上の問題があるものであり、看過することはできない。
2 国旗損壊等処罰法について
国旗損壊等処罰法は、本年8月13日に施行された。国旗損壊等処罰法は、「国旗を大切に思う国民感情」を保護法益とし、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損する行為を処罰するものである。
しかし、以下の点から、国旗損壊等処罰法は違憲である。
まず、国旗を損壊等する行為は、政府や国家政策に対する批判や抗議の意思表示である場合が多く、これを処罰対象とすることは、憲法21条が保障する表現の自由に対する侵害になる。
また、「日の丸」は軍国主義の象徴であるとして忌避感情を持つ市民も少なくない中で、「国旗を大切に思う感情」という極めて曖昧な概念を刑罰によって醸成しようとすることは、思想良心の自由を侵害する。
そもそも、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」という極めて曖昧な構成要件は、どのような行為が犯罪を構成するのか明確ではなく、憲法31条の罪刑法定主義に反する。
国旗損壊等処罰法は、政治的抗議活動や表現の活動を萎縮させる効果をもたらし、国民に対する思想統制的機能を果たすことになる。当部会は、本法による表現に対する規制を許さず、その速やかな廃止を求めていく。
3 改正再審法について
現行法制定から78年を経て初めて再審手続に関する改正が行われたこと自体は歴史的な意義を有し、審理に関する一定の規律の導入や裁判所による証拠提出命令の創設、検察官の不服申立ての原則禁止などは、再審手続を前進させるものとして肯定的に評価できる。
しかし、改正再審法には、冤罪被害者の速やかな救済という目的を阻む重大な問題点がいまだ数多く残されている。
第一に、証拠提出命令の対象が再審請求との関連性や必要性を考慮して「相当と認めるとき」に限定され、検察官が保管する証拠の全体像を明らかにする証拠一覧表の開示が定められていない。そもそも刑事訴訟法は、実体的真実の発見をその使命としており(第1条)、有罪であるか、無罪であるかを決定するための証拠は、すべて裁判において顕出されるべきであり、そのためには、証拠一覧表の開示は必要不可欠である。
第二に、開示された証拠の目的外使用を罰則付きで一律に禁止したことは、冤罪被害者救済のために世論を喚起する目的でなされる弁護人の活動や市民運動を著しく萎縮させるものである。
第三に、再審開始決定に対する検察抗告を原則禁止としながらも、「十分な根拠がある場合」には例外的に抗告を認めるという不当な抜け道が用意されている。
当部会は、附則に定められた5年後見直しに向けて、再審手続の残された重大な課題を克服し、真に冤罪被害者を救済するための取り組みを続けていく。
4 おわりに
国旗損壊等処罰法の審議過程では、野党及び参考人として質疑に答えた憲法学者、刑法学者は、いずれも法案の立法事実が存在しないことを指摘していた。また、改正再審法の成立過程においては、野党3党提出の検察官による抗告を全面禁止することなどを盛り込んだ対案は反対多数で否決された。
このように、与党は、上記2法の成立に当たり、野党からの指摘、対案の提出、事前の合意などをことごとく無視し、憲法擁護、人権尊重の観点からは大きな問題がある法制度の改悪を推し進めている。現在も、衆議院憲法審査会で、緊急事態における国会議員の任期延長など、憲法改正の条文案作りに向けた動きが加速している。当部会は、高市内閣の憲法を無視した法制度の改悪に抗議し、憲法改正の動きに反対するたたかいを続けていく。 |
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| 2026年9月5日 |
青年法律家協会弁護士学者合同部会
第 2 回 常 任 委 員 会
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